永住許可(永住権)申請の取得条件や必要書類について解説!

2023/8/4

2025/04/14

【この記事の監修】

伊東綜合事務所 代表 伊東良之

伊東綜合事務所

代表/行政書士伊東 良之

2008年に行政書士事務所を開業以降、高度専門職や技術・人文知識・国際業務などの就労系在留資格を中心に、配偶者、永住などの身分系在留資格にも幅広く対応。
自分自身も外国で就労ビザを取得し働いた経験を踏まえ、不安を感じながらも日本での活躍を希望する外国人にとって一番近い存在になるべく丁寧な対応を心掛け、在留資格申請を行っている。

外国人が日本に在留する場合は、在留資格が必要です。

通常、在留資格ごとに決められた期間内に限り日本に滞在することが可能ですが、永住を希望する場合は、「永住許可申請」が必要になります

今回はそんな永住許可の取得条件や必要書類について解説します。

永住許可(在留資格「永住者」)とは?

在留資格には通常在留期間が定められていますが、永住許可(在留資格「永住者」)を受ければ現在の国籍を変更せずに将来にわたって日本に永住することが可能となります。

日本では、通常、外国人が在留できる期間は在留資格に応じて定められています。そのため、継続して日本での生活を望む場合には、在留資格の更新や変更が必要です。

しかし、永住許可を取得すれば、在留資格の更新手続きをすることなく、日本で安定した生活を続けられるようになります。

また、就労や活動の制限が緩和され、生活の幅が広がることもメリットの一つです。

例えば、就労ビザで日本に在留している方が永住許可を取得することで、職業変更や独立も容易になり、さらに住宅ローンの審査も通りやすくなるため、日本での生活基盤をより安定させることができます。

つまり、永住許可申請は、日本で安定した生活基盤を築き、長期的に生活するために欠かせない重要な手続きです。

永住許可を申請するための条件は4つ

永住許可を申請するための条件は以下の4つございます。

  1. 素行が善良であること
  2. 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
  3. 原則として10年以上日本に継続して滞留していること
  4. その者の永住が日本国の利益に合致すると認められること

それぞれについて解説します。

素行が善良であること

永住許可を申請するためには「素行が不良である」と見なされないことが条件です。これは、法律を守り、良好な生活態度を持つことが求められるためです。

日本で安定して生活する永住者には、社会秩序を守り、周囲との信頼関係を築くことが重要です。

そのため、素行が不良と判断されると、日本での長期的な在留が社会に悪影響を及ぼす可能性があると考えられ、永住許可が下りにくくなります。

例えば、過去に重大な交通違反を繰り返していたり、税金や保険料の未納が続いていたりする場合、素行が不良であると判断されることがあります。

これにより、信頼性に欠けるとみなされ、永住許可の審査が厳しくなる可能性があります。

したがって、永住許可を取得するためには、日常生活において法律や社会のルールを守り、社会の一員として信頼される行動が求められます。

独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること

永住許可を申請するには、自らの生計を維持するための資産または技能を持ち、経済的に自立していることが求められます。

日本で長期的に安定した生活を送るには、外部の援助に頼らず、自己資金や収入で生活を維持できることが重要です。

経済的な自立が確認できれば、日本の社会福祉制度に大きな負担をかけずに生活できると見なされ、永住許可が認められやすくなります。

例えば、安定した収入を得られる職業に就いている、一定の資産がある、または専門的な技能を持っているといった場合は、経済的な基盤があると判断されやすくなります。

これにより、自己資金で生活を営む能力があると見なされ、永住許可の取得に近づきます。

したがって、永住許可を得るためには、生活を支えるための収入源や資産、あるいは社会での職業的自立を可能にする技能が必要不可欠です。

原則として10年以上日本に継続して滞在していること

永住許可を申請するには、原則として日本に10年以上継続して滞在していることが条件となります。これは、日本での生活基盤や安定性を確認するためです

長期間の滞在は、日本での生活や文化に適応し、日本社会の一員として安定した生活を営んでいる証とみなされます。

この基準は、日本に永住を希望する人が日本で生活し続ける意思と能力を持っているかどうかを見極めるために設けられています。

例えば、働きながら10年以上日本に滞在し、納税や保険料の支払いを行っている場合、日本社会の一員として信頼されやすくなります。

さらに、この10年のうち5年以上は就労ビザや居住ビザなど安定した在留資格を有していることが求められ、留学や短期滞在の期間は含まれないこともあります。

つまり、日本で永住許可を得るには、継続的に日本に滞在し、安定した生活基盤を築いていることが重要であり、10年以上の滞在実績がその目安とされています。

在留期間10年に関する特例と例外について

永住許可を申請する際、原則として日本で10年以上継続して在留していることが条件ですが、特定のケースではこの要件が緩和される特例があります。

日本の永住許可は、日本社会への安定的な貢献を前提としていますが、特定の立場や貢献度が高い場合、10年未満でも永住許可が認められることがあります。

この特例は、日本の利益に寄与している人々や、日本人と密接な関係を持つ外国人に配慮したものです。

例えば、下記のような場合は10年の在留資格に関する特例がございます。

原則10年に関する特例

ア 日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること

イ 「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること

ウ 難民の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること

ヱ 外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上本邦に在留していること

オ 地域再生法(平成17年法律第24号)第5条第16項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において、出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件(平成2年法務省告示第131号)第36号又は第37号のいずれかに該当する活動を行い、当該活動によって我が国への貢献があると認められる者の場合、3年以上継続して本邦に在留していること

カ 出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」という。) に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの

「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。

3年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること。

キ 高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの

「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること。

1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること。

ク 特別高度人材の基準を定める省令(以下「特別高度人材省令」という。)に規定する基準に該当する者であって、次のいずれかに該当するもの

「特別高度人材」として1年以上継続して本邦に在留していること。

1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として特別高度人材省令に規定する基準に該当することが認められること。

このように日本での在留期間が10年未満でも、特定のケースにおいては永住許可の特例が適用される場合があり、この要件の緩和によって優秀な人材や社会に貢献している人物が永住を目指しやすくなっています。

その者の永住が日本国の利益に合致すると認められること

永住許可を申請するには、その永住が日本の利益に合致すると認められることが条件です。これは、日本社会に貢献し、地域や経済の発展に寄与する人物であることが期待されるためです。

具体的には、下記のア~エのすべての条件を満たしている必要があります。

ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。

イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。

ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

引用元:https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyukan_nyukan50.html

 このように、永住許可の取得には日本社会や経済の発展に寄与し、共に成長していく意欲や能力が求められます。 

永住許可申請に必要な書類は、申請者の状況によって違う

永住権を取得するために必要な書類は、申請者の状況によって異なるため、個別に準備が必要です。

申請者の在留資格、職業、家族構成、滞在期間などによって、必要となる書類が変わります。例えば、就労ビザで滞在している場合と、配偶者ビザで滞在している場合では、提出する書類が異なります。これにより、個々のケースに最適な書類を準備することが重要です。

例えば、下記のような場合で必要書類が異なります。

・一般的な就労ビザの場合
・日本人または永住者の配偶者の場合
・自営業や経営者の場合
・高度専門職の場合

 したがって、永住許可申請を行う際には、自分の在留資格や状況に合わせた書類を正確に準備することが重要です。

ここでは、いくつかのパターンで必要な書類をご紹介します。

それぞれの必要書類について詳しく知りたい方は、法務省の公式サイトをご確認頂くか、当事務所に相談してください。

当事務所でも永住許可申請の手続きについてのサポートをしていますので、
お気軽にご相談下さい。

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日本人または永住者の配偶者ので追加で必要な書類

日本人または永住者の配偶者の場合は、婚姻関係を証明する書類が必要となります。

具体的には、下記の様な書類となります。

必要書類 備考
配偶者の住民票 日本での配偶者との関係を確認するため。
結婚証明書 法的に結婚していることを証明するため。(外国で結婚した場合は翻訳付きの証明書も必要になります)。
配偶者の在留カード 配偶者が永住資格を持っていることを確認するため。
婚姻関係の経緯説明書 本国での婚姻経緯や状況についての説明が求められる場合があるため。

これらの書類を追加することで、配偶者が証明され、申請の成功率が高まります。

なお、上記の必要書類以外にも必要な書類はあるために、出入国在留管理庁(入管庁)の公式ウェブサイトや当事務所に確認をすることをお勧めします。

自営業や経営者の場合

日本人または永住者の配偶者の場合、婚姻関係を証明する追加書類が必要です。

永住許可の申請には、配偶者が日本での生活基盤を有していることを示すために下記のような書類が求められます。

必要書類 備考
事前の登録証明書 商業登記簿謄本または個人事業主届け出のコピー。
過去3年の確定申告書 事業が安定して運営されていることを証明するため。
納税証明書 税金を適切に納めていることを証明するため。
事業計画書 受け入れ後の計画を示すため。(特定技能の受け入れ企業要件を満たす場合)。
従業員名簿 現在の雇用状況を示すために求められる場合があるため。

これらの書類を提出することで、配偶者としての生活基盤が証明され、永住許可が認められる可能性が高まります。

高度専門職の場合

高度専門職の場合、専門性を示すための特別な書類が必要です。

具体的には、下記の様な書類となります。

必要書類 備考
高度人材ポイント計算表 人材が高度人材であることを証明するため。
学位証明書及び職務経験証明書 高度な技術や知識を持つことを示すため。
顧問契約書又は研究契約書 専門分野での活動内容を明示するため。
成果物や研究実績の資料 専門性を証明するための論文やプロジェクト報告書など
その他高度専門職に関する証明書 該当分野での国家資格や国際的認証がある場合に提出するため。

これらの書類を整えることで、高度専門職としての信頼性を確保し、申請がスムーズに進む可能性が高まります。

永住許可を受けるメリット

永住許可を受けるメリットは主に以下の3点です。

  1. 在留資格に期限がなく、更新申請が不要になる
  2. 日本での社会的信用が得られる
  3. 日本における活動に制限がない

それぞれ解説します。

在留資格に期限がなく、更新申請が不要になる

通常、在留資格(ビザ)には期間(数日~5年)が定められているため、期限が来る前に更新申請を行わなければなりません。

しかし、永住許可を得ると在留期限が無くなるため、更新申請の必要がなくなります。

※更新申請の必要はなくなりますが、在留カードは7年毎に更新が必要です。

日本での社会的信用が得られる

永住許可の取得条件は10年以上日本に住んでいることや法令や納税の義務に違反していないことなど厳しいです。

永住許可が取得できるということは上記の厳しい条件を満たしているということなので、社会的に信用力が高いです。

社会的な信用力が高いと、就職や転職、結婚、不動産の賃貸契約、銀行のローン契約などの審査が有利になります。

日本における活動に制限がない

在留活動に制限が無くなるため、日本人と同様に学歴に縛られない職種に就いたり、アルバイトをしたり、会社を経営することができます。

就労時間や雇用形態、職種などを自由に選べ、日本人と同様に自由に働くことができます。

職業選択の幅が広がり、転職や就職も有利になりやすいです。

当事務所に依頼した場合の金額と流れ

当事務所に依頼した場合の報酬額は以下の通りです。

申請区分 当事務所の報酬額(税込) 申請手数料(法定費用)
永住許可申請

(会社員)

198,000円~  

10,000円

永住許可申請

(経営者)

220,000円~

 

当事務所に依頼した場合の流れ

  1. お問い合せ
  2. ご相談
  3. お見積り
  4. ご依頼・着手金のお支払い
  5. 業務着手
  6. 申請完了
  7. 申請結果通知の受領・残金のお支払い

永住許可申請は伊東綜合事務所へお任せください

永住許可は他の在留資格と比較して与えられるメリットがとても多いです。

ただしメリットが多い分、審査は厳しくなっております。

永住許可申請は、専門家である伊東綜合事務所へご相談ください。

 

 

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