建設業許可の有効期間は?更新期限は?いつ申請すべきかを解説

2021/8/30

2021/08/30

建設業を営まれている方は建設業許可の取得をされていることでしょう。しかしせっかく煩雑で面倒くさい手続きを経て建設業許可を取得したのに、その後に発生する更新手続きを忘れてしまって建設業許可を失効してしまうというケースも珍しくありません。

建設業を運営する上で不可欠ともいえる建設業許可。今回は失効する前に知っておきたい建設業許可の有効期間と更新期限について解説します。

建設業許可には有効期限があります

建設業許可は有効期間が5年間と定められています。5年間の有効期間内に建設業許可の更新手続きを行わないと失効してしまうことになります。

5年という期間は長いですが、ついつい忘れてしまうと事業が営めなくなってしまいます。どんなに忙しくても有効期限内での更新手続きを忘れないようにしなくてはいけません。

昔の有効期間は3年間だったが法改正で今は5年間

建設業許可を受けることは「建設業法」という法律の中で定められているものです。実は昔、建設業許可の有効期限は年間でした。それが平成6年12月に行われた法改正により5年間に延長されて現在の有効期間になりました。

20年以上前に改正された法律ですが、以前から建設業を運営されている方は「有効期限は3年間」という古い情報に引っ張られて、無駄な申請準備作業をしないよう注意しましょう。

建設業許可の更新期限には申請先によって異なる

すでに建設業許可を取得されている方々はご存じかと思いますが、建設業許可の申請には都道府県知事に申請するケースと国土交通大臣に申請するケースの2つがあります。更新申請も2つのうちのどちらかに申請することになりますが、都道府県知事と国土交通大臣とでは更新期限に微妙な違いがあります。

申請先がどちらになるかは営業所の設置状況によって異なります。1つの都道府県にだけに営業所を置いているときは営業所がある都道府県知事に、2つ以上の都道府県に営業所を置いているときは国土交通大臣に申請することになります。

都道府県知事に更新申請をする場合

まずは都道府県知事に更新申請をするケースです。都道府県知事に対する更新期限は有効期間満了の2か月前から30日前までとなります。

国土交通大臣に更新申請をする場合

国土交通大臣に対して更新申請をするケースでは更新期限が1か月延長され、有効期限満了の3か月前から30日前までに完了しておくようにする必要があります。

建設業許可の更新期限を過ぎてしまったときの対応

とはいえ、いくら気をつけていても様々な事情で建設業許可の更新期間が過ぎてしまうということもあるでしょう。

この「更新期限を過ぎてしまう」という問題には「30日前まで」という条件を過ぎてしまうケースと「建設業許可の有効期間」を過ぎてしまうケースの2パターンが考えられます。

それぞれ更新期限を過ぎてしまったときの対応についてみていきましょう。

建設業許可は有効期間内で30日前までの更新期限を過ぎてしまった場合

「30日前まで」という更新期限を過ぎてしまっても建設業許可の有効期間内であれば更新手続きを受け付けてもらうことができます。

ですが「30日前まで」という更新期限を破ってしまったことは事実です。場合によっては始末書や反省文の提出を求められたり、注意を受けたり、なんらかのペナルティが課されることがあります。ただし、ペナルティの内容は管轄している都道府県によってことなるので一様ではありません。

更新申請すれば建設業許可の有効期間を過ぎても審査中は効力は残る

建設業許可の更新期限が「有効期間満了の30日前」に設定されているのは、更新の際に発生する審査に1か月程度の期間を要するためです。そのため、更新期限を過ぎて更新手続きを行うと、建設業許可の有効期間を過ぎてしまってもまだ審査が終わっていないという状況が発生することがあります。

でも、安心してください。仮に有効期間を過ぎて審査中だったとき、審査が終了するまでは以前の許可が有効として扱われるので、問題なく事業を運営することができます。

ちなみに更新審査が通り新たな許可通知書が発行されますが、以前の許可の有効期間終了の翌日から、新たな許可の有効期間がスタートします。

建設業許可の有効期間すらも過ぎてしまった場合

建設業許可の有効期間内であれば、更新期限を過ぎても更新手続きを行えますが、有効期間すらも過ぎてしまってから更新していないことに気が付いた場合は、更新手続きを行うことができません。

問答無用で失効となり、建設業許可が必要な工事(1つの案件で500万円以上の請負金額が発生する工事や、1,500万円以上の工事または木造住宅で延べ面積が150㎡以上の工事)を施工することができなくなります。

失効したら新規として申請をやり直すことになる

建設業許可を失効したらこれまで受けられていた工事を受けられなくなるので、事業運営において大きな打撃です。失効したら直ちに新規として建設業許可を申請し直すようにしてください。

しかし、新規申請では、更新手続きだけでは必要なかった「500万円以上の預金残高」や「決算書の貸借対照表の純資産の合計が500万円以上であることを証明する資料」を作成しなければいけない手間が発生してしまいます。

失効したまま事業を続けると刑事罰の対象になる

新規申請の手続きが面倒くさいからと言って失効したまま許可が必要な事業を続けてしまうのは絶対にやめてください。

建設業法違反に該当し、懲役刑や罰金刑を科せられることがあるほか、向こう5年間は建設業許可の申請ができなくなります。きちんとした手続きもできない会社として、取引先からの信頼を失ってしまうことになりかねません。

建設業許可の更新には要件があります

建設業許可の更新は書類さえそろえば無条件に通るわけではなく、満たさなくてはならない要件があります。

基本的には建設業許可を初めに取得したときと同様の要件を満たしていれば問題ありませんが、要件によっては5年の間に欠落が出てしまうこともありえます。一部でも満たされていないと許可取り消しの対処が取られ、向こう5年間は新規申請ができなくなるので注意しましょう。

主な要件は次の5つです。

参考|建設業・不動産業:許可の要件(国土交通省)

要件1:社会保険への加入している

社会保険への加入は、以前までは必須の要件ではありませんでした。しかし建設業法の改正により、2020年10月から建設業許可の取得には社会保険への加入が義務化されました。

社会保険に加入しないで建設業許可を取得した方は、更新までの間に健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険に加入しておかなくてはいけません。社会保険加入の手続きには時間がかかることもあるので、早めに対応しておいた方が、更新期限の間際で慌てなくてすむでしょう。

要件2:毎年決算届を提出している

建設業許可を取得すると、毎年事業年度終了後4か月以内に決算の内容を届け出る義務が発生します。基本的には5年度分の決算届が必要になります。1年でも欠けると更新申請ができなくなってしまうため、毎年確実に提出していくことが求められます。

要件3:重要事項に変更があったときに変更届を提出している

建設業許可を取得した業者は、重要事項に変更があったときにはその変更届を提出しなければいけません。

変更届は変更後いつまでに提出しなければいけないという期間が定められているのですが、その期間は変更する内容によってことなります。

2週間以内に提出が必要な変更届

変更後、2週間以内に変更届の提出が必要な重要事項は次の4つになります。

  • 経営業務の管理責任者
  • 専任技術者
  • 経営業務の管理責任者
  • 1建設業法施行令第3条に規定する使用人

これらは提出書類の用意に時間がかかることもあります。変更後、すぐに準備に取り掛かることをおすすめします。

30日以内に提出が必要な変更届

変更後、30日以内に変更届の提出が必要な重要事項は次の9つになります。

  • 商号
  • 営業所の名称
  • 営業所の所在地、電話番号、郵便番号
  • 営業所の新設
  • 営業所の廃止
  • 営業所の業種追加
  • 資本金額
  • 役員等
  • 支配人

2週間以内に提出が必要なケースに比べ、日数に余裕がありますが、名称変更などは手続の過程で法務局を途中に挟み、状況によっては変更届提出までのスケジュールがタイトになりがちです。余裕だと思って油断し過ぎないように、早めの行動を心がけましょう。

要件4:管理責任者と専任技術者を常に配置している

事業者の方を悩ませるのが管理責任者と専任技術者の要件です。この二つに関する要件は、人材に関する問題で、満たせなくなったときにすぐに対応するのが難しい要件です。建設業許可の取得時にはきちんと要件を満たしていたのに、退職などで人材がいなくなってしまっている場合は新たに採用することになりますが、それには長い時間がかかります。余裕を持った人材計画を立てるのはもちろん、該当する人材の退職がわかった時点ですぐに人材を補充した方がよいでしょう。

経営業務の管理責任者とは

建設業の専門知識を持っている経営者(法人の場合は常勤の取締役)が経営業務の管理責任者となります。建設業の経営は他の産業の経営と比べるとやや特徴的で、業界に精通している必要があります。そのため、建設業の経営・管理は一定期間の経験を有し、専門の知識を持った人物が行わなくてはなりません。

専任技術者とは

専任技術者とは営業所に常勤する建設業の専門知識を持っている人です。建設工事に関する請負契約の適切な取り決めをしたり、きちんと施工をしたりするためには建設業に係る建設工事について深い専門的知識が必要です。そこで一定の資格または経験を有した人物を専任技術者として各営業所に配置することになります。

要件5:誠実である(申請内容に嘘をつかない)

最後の要件として、人として当たり前のことではありますが、虚偽の申告をしないことも大切です。

事実と違う内容や、必要な内容をあえて記載しないなどすると、許可が下りないだけでなく、営業停止処分や建設業許可の取消し処分が科せられることがあります。また、処罰の内容などの情報はホームページや官報や公報に公開されてしまうため、社会的信用が無くなってしまう恐れがあります。建設業許可の申請の過程で嘘をつくことは絶対にやめましょう。

加えて、暴力団など反社会的勢力と関わる、といった申請を却下されるような欠格事由に該当しないことも、当たり前の要件ではありますが、大切です。

建設業許可の更新に必要な申請書は17種以上あります

建設業許可の更新には膨大な「建設業許可申請書」や「役員等の一覧表」など17種類以上の申請書を用意しなければいけません。

更新手続きが可能になるタイミングで準備をしだすのでは間に合わないこともあります。というのも、ものによっては入手するのにも時間がかかることがあるからです。建設業許可の更新を行うときは更新期限から逆算し、余裕を持って準備しましょう。

まとめ

建設業許可には5年間の有効期間があります。5年が経過する時点で更新手続きをすることになりますが、都道府県知事に申請するときは有効期間満了の2か月前から30日前まで、国土交通大臣に申請するときは有効期間満了の3か月前から30日前までとなります。

更新期限を過ぎても更新手続きはできますが、有効期間を過ぎてしまうと失効となります。更新に当たっては要件を満たし、膨大な申請書を準備しなくてはならないので、余裕を持って準備を進めましょう。

建設業許可申請・外国人ビザ申請はプロに相談

こんなお悩みありませんか?

  • 事業拡大のために建設業許可を取りたい
  • 建設業許可を取るための時間がない!
  • 外国人を雇用したいと思ってるけど、ビザはどうすればいいの?
  • 在留期間を更新したいんだけど・・・

建設業許可申請・外国人のビザ申請なら
「行政書士 伊東綜合事務所」にお任せください。

建設業許可申請・外国人ビザ申請の
実績は1,000件以上、
許認可を専門とした行政書士です。

まずはお気軽にご相談ください。